今年の3月のことですが、留守がちな知り合いのお宅から、一本のローズマリーの木を譲り受けました。
留守にされている間はいつも私が水をあげていたのですが、相当年数の経っている老木で、茎や幹は完全に木化し、根元の直径は5センチもあろうかと思います。
このローズマリー、庭に地植えなどしているわけでなく、発砲スチロールのトロ箱に何年も、肥料すら与えられていない痩せた土が10センチ程度の厚さで敷き詰められているだけ。
なのに台風が来てもびくともせず、真夏にうっかり水をやり忘れても枯れる様子もない。実に不思議な木でした。
そして私は水遣りをするうちに、この老木にだんだんと情が移ってきてしまったのです。
「こうなったらもう、うちの子になってくれないかな・・・」と考えるように・・・。
持ち主に何気なく尋ねてみたところ、「切ってしまおうと思ったけど切れなかった」というので、これ幸いにと思い切って「捨てるのでしたら譲ってもらえませんか!?」と頼んでみたら、二つ返事で快諾いただいたのでした。
嬉しい!ローズマリーが我が家に来る!養子縁組だ!笑
新しい鉢に移植するためにまず、発砲スチロールの箱からローズマリーを取り出す作業を始めたのですが、これがなかなか引っこ抜けない。
アレ???何で?発砲スチロールの土の深さはせいぜい10センチ。さほど力も要らないだろうと思っていたが実に甘かった・・・。
なんとこのローズマリー、発砲スチロールの底をぶち抜きさらにその下のコンクリートをもぶち抜き、地面にしっかりと根差していたのです!これにはびっくり仰天しました。(; ゚Д゚)))))
元の持ち主の方も驚いて「すごい生命力やね~~」と二人で感心したものです。
台風でも倒れず、乏しい土でも枯れずにいたのはこのせいだったのです。
そしてこれを見た瞬間、私はちょっとした罪悪感に見舞われました。
「これは・・・ここから離れたくないのかも・・・」
数年かけて、コンクリートまで突き破って根差してきた、この苦労をあんたは無にするのか?!と責められているような気がしたのです(/_;)
もしかして、のちのちバチが当たったりして・・・とか考えたり💦
しかし、もう発砲スチロールは粉砕してしまった。我が家に来るしかないっ。
ごめんねごめんね、と心の中で呟きながら新しい鉢によっこいしょ、と引っ越しさせた・・までは良かったのですが、この後がまた大変でした・・・(続)